室の中で七輪を使って炭火をたきます。炭は岩手県産の楢(なら)の木炭を使用。
室温は40度以上になり、数時間もすると室内は二酸化炭素が充満します。
酸素が無ければ、納豆菌の働きは一時ストップしてしまいます。発酵したくてもできない状態なのです。
この時、納豆菌は自分の命を守るため、体内活動を徹底的に減らして、いわば休眠状態にはいり、じっと耐えています。そこに、今度は一気に酸素を送り込んでやるのです。
すると、菌は猛烈な勢いで、パワフルに活動を始めます。これが「炭火造り」の納豆の作り方。
この時の納豆菌の貧欲な活動がおいしさにつながるのです。
さらに、発酵室内に備長炭を敷き詰め、炭の特性による空気清浄・脱臭・吸湿性効果などを活用し、おいしい納豆に仕上げています。
大豆から納豆に変わるにはまず良質な水との出会いから始まります。水は地下およそ150mから汲み上げ、大豆の浸漬水として使用しております。
美味しさの基本となる原料大豆は納豆に適した種類、産地を選定しています。主力の国産原料は小粒系・大粒系ともに北海道産のものが中心です。また有機大豆はアメリカ産、そして非常に貴重な国産の有機大豆はすべてJAS認定された北海道産を使用しています。
特許製法である「炭火造り」に使用する炭にもこだわりがあります。発酵室の壁面へ設置する炭は国産の備長炭を、また毎日発酵室で燃やす炭には岩手県産の楢(なら)炭を使用しております。
―活気ある工場― 「煮方(にかた)」と呼ぶ職人を筆頭に約50名で動いています。